title 製造工程の作業終了時点で、花火を地上に置き導火線に火をつけると、花火自体は推進力を持っていないので、その場で破裂します。通常は黒色火薬の力で上空に上げられるのです。宇宙ロケットの様に飛びながら加速するのと違い、筒の内部だけで加速され、後は少しずつ速度を落とし、最上点をめざし上っていきます。また花火の直径が大きくなるほど、高く打揚げられます。参考図

 花火を打揚げる方法は、下に示すように主に3種類の方法があります。打揚げの時間的間隔で、方法を選択するのです。概略的に言えば、花火大会の昼花火で音だけのする花火などを、ゆっくり打揚げるには、単発の方法を使います。次に3秒から5秒間隔くらいで、たくさんの花火を次々に打揚げるには、早打ちの方法を使います。更に短い間隔、あるいは数十発を同時に打揚げるには、スターマインの方法を使うのです。打揚げるための機材は、早く打揚げられる方法になるほど、たくさん必要になります。

単発
 
まず玉を、吊りひもを使って、筒の下に降ろします。その後、黒色小粒火薬を玉の上に振りかけ、ロービ投げ込みます。振りかけられた火薬が燃えて、打揚薬(黒色小粒火薬)に点火されます。大量のガスが発生し、玉は上空に打揚げられます。

早打ち
 
焼金と呼ばれる丸い鉄板、もしくはチェーンなどを、コンロ等で、炭火、ガスを使い赤くなるまで熱します。それを打揚げ筒の底に、入れます。取手のつけられた玉を、筒口で離します。玉は筒底まで落ちていき、焼金に接し、打揚薬に点火されます。これを繰り返して、花火を次から次に打揚げます。

スターマイン
 
速火線(秒速20〜30mで燃焼する)と呼ばれる導火線の一端に火をつけると、100本もある、全部の筒の延時用導火線に、数秒で火をつけることができます。(作業写真)延時用導火線が燃え尽きると、内部の速火線に火が伝火し、更に打揚薬に火がつき、玉が発射されます。
 同時に、発射の火で、玉の上に乗っている幾つかの星を包んだもの(ザラ星)に火がつき、筒口から光が吹き上がります。
スターマインのプラン
 単発、早打ちとは、色々異なる点があります。スターマインの方法の場合、一本の筒で一回しか発射しません。単発、早打ちの方法では、1つの筒で数十発繰り返し、打揚げることができます。そのため同じ玉数を打揚げるのに、大量の筒が必要になります。スターマイン用の筒は、持ち運びに適するよう、通常の物より短く軽く、5本一組になっています。筒の中には、玉が2つ入っています。
 早打ちの場合などでは、その場で、打揚げ間隔を遅くしたり、早くしたりできますが、スターマインは、最初のプラン通り、一旦火をつけると延時用導火線まかせです。逆に言うと、予め観客にどのように見せたいか、プランを立てることができます。

筒No.

玉の号数

時間間隔

延時導火長さ

1

3

2秒

2cm

2

3

2秒

4cm

3

3

2秒

6cm

10

3

1秒

20cm

11

3

1秒

21cm

12

3

1秒

22cm

20

4

0.5秒

30cm

21

4

0.5秒

30.5cm

22

4

0.5秒

31cm

30

4

0.5秒

35cm

31

4

0.5秒

35.5cm

 左の表は、3号筒20本、4号筒20本のスターマインのプランです。この時の延時用導火線は、1秒で1cm燃焼する導火線を使います。最初の3号10本は2秒間隔の比較的ゆっくりしたペースで打揚げ、No10からの3号10本は、時間間隔が1秒にせばまります。No20から4号にサイズアップし、間隔も0.5秒と更に短くなり、クライマックスをむかえます。No31で最後の4号10本は、同時に打揚げます。この例のように、通常はクライマックスが後半にくるように、プランを立てるのです。
 プラニングの際に、時間間隔とともに、花火の種類の選定も重要なポイントです。観客がどのように感じるか、予想しながら計画を立てます。