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尺玉ってなあに?

投稿日:2017/08/19

株式会社磯谷煙火店 磯谷尚孝

尺貫法

 花火作りには古くから尺貫法が使われてきました。何を今更と思われるかもしれませんが、弊社では今でも尺、寸、分(ぶ)、厘の単位を頻繁に使っているので、作業工室に長さを測るスケールとして尺貫法のものがいくつもあります。会社によってはcm、Kgに完全に移行したところもあると聞いています。

 以前は花火の大きさを表すサイズとして寸、尺の単位が使われてきました。ただ今のご時世に尺貫法はあわないので、ルール作りをして号数表示をしています。直径3寸=3号、直径8寸=8号、そして直径1尺=10号という具合です。(1尺=10寸=30.3cm)号数表示もかなり浸透してきているとは思いますが、同業者との話の中では未だに○寸と呼んでいるのをしばしば聞きます。特に10号に関しては、尺玉と呼ばれるケースが他のサイズより多いのではないでしょうか。

 

花火のサイズ

 尺玉(10号玉)の直径は30.3cmと思われている方も多いと思いますが、正確に言うとこれは間違いです。尺玉(10号玉)というのは内径30.3cmの筒で打ち揚げる玉のことなのです。筒の内径と玉の直径の差はクリアランスと呼ばれ、花火にはなくてはならないもので、しばしばパーセント表示されます。花火の種類、作り手により数パーセントから10パーセントくらいまでクリアランスは様々ですが、ざっと5パーセントくらいが標準のようです。30.3×95/100=28.785となり、尺玉の直径は28.8cmくらいが標準と言えます。

 余談ですが、クリアランスが小さいと発射薬のガスが外に抜けにくく、玉が高く上がる傾向にあります。

 

尺玉の意義

 以前花火愛好家から聞きましたが、花火大会を見に行くかどうか判断する時、尺玉が打ち揚がる大会かどうかが重要だそうです。尺玉より大きいサイズとなると二尺玉となり、二尺玉を打ち揚げられる大会はうんと少なくなります。作り手からしても尺というサイズは、技術的工夫もしやすく適当なサイズです。競技大会で尺玉が多く使われる理由も、このあたりにあるかもしれません。

↓初めて尺玉を仕込んだ時の思い出↓

初めての尺玉