打揚方法

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打揚方法

 製造工程の作業終了時点で、花火を地上に置き導火線に火をつけると、花火自体は推進力を持っていないので、その場で破裂します。通常は黒色火薬の力で上空に上げられるのです。ロケットの様に飛びながら加速するのと違い、筒の内部だけで加速され、後は少しずつ速度を落とし、最上点をめざし上っていきます。また花火の直径が大きくなるほど、高く打ち揚げられます。

参考図

 花火を打ち揚げる方法は、下に示すように主に3種類の方法があります。打ち揚げの時間的間隔で、方法を選択するのです。概略的に言えば、花火大会の昼花火で音だけのする花火などゆっくり打ち揚げるには、単発の方法を使います。次に3秒から5秒間隔くらいで、たくさんの花火を次々に打ち揚げるには、早打の方法を使います。更に短い間隔、あるいは数十発を同時に打ち揚げるには、スターマインの方法を使うのです。早く打ち揚げられる方法になるほど、打ち揚げるための機材はたくさん必要になります。

 2009年1月1日より火薬類取締法施行規則56条の4(煙火の消費)が変更され施行されました。この改正により、花火の打ち揚げは遠隔点火が基本の打揚方法となり、法律上大きな変革となりました。下記に説明する単発と早打は遠隔点火ができないので、今となっては推奨できる方法でなくなりましたが、花火の歴史の中で長く行われてきた方法なので紹介します。遠隔点火ができる方法として近年電気点火への移行が進んでいます。弊社では2004年以降、電気点火に全面移行しました。

花火と電気点火

単発

単発

 まず玉を、吊りひもを使って、筒の下に降ろします。その後、黒色小粒火薬を玉の上に振りかけ、ロービ投げ込みます。振りかけられた火薬が燃えて、打揚薬(黒色小粒火薬)に点火されます。大量のガスが発生し、玉は上空に打ち揚げられます。

早打ち

早打ち

 焼金と呼ばれる丸い鉄板、もしくはチェーンなどを、コンロ等で、炭火やガスを使い赤くなるまで熱します。それを打揚筒の底に入れます。取手のつけられた玉を、筒口で離します。玉は筒底まで落ちていき、焼金に接し打揚薬に点火されます。これを繰り返して、花火を次から次に打ち揚げます。

スターマイン

スターマイン打揚げ

 速火線(秒速20~30mで燃焼する)と呼ばれる導火線の一端に火をつけると、100本もある筒の延時用導火線に、数秒で火をつけることができます。(作業写真)延時用導火線が燃え尽きると、内部の速火線に火が伝火し、更に打揚薬に火がつき、玉が発射されます。 


導火線によるスターマインの延時テスト

 同時に、発射の火で玉の上に乗っている幾つかの星を包んだもの(ザラ星)に火がつき、筒口から光が吹き上がります。

スターマインのプラン

 単発、早打の方法では、1つの筒で数十発繰り返し打ち揚げることができます。スターマインの方法の場合、一本の筒で一回しか発射しません。そのため同じ玉数を打ち揚げるのに、大量の筒が必要になります。スターマイン用の筒は、持ち運びに適するよう、通常の物より短く軽く5本一組になっています。筒の中に、玉を2つ入れることも多いです。。
 早打ちの場合などでは、その場で打揚間隔を早くしたり遅くしたりできますが、スターマインは、最初のプラン通り一旦火をつけると延時用導火線まかせです。逆に言うと、予め観客にどのように見せたいかプランを立てることができます。

筒No.玉の号数時間間隔延時導火長さ
132秒2cm
232秒4cm
332秒6cm
1021秒20cm
1131秒21cm
1231秒22cm
2040.5秒30cm
2140.5秒30.5cm
2240.5秒31cm
3040.5秒35cm
3140.5秒35.5cm

 左の表は、3号筒20本、4号筒20本のスターマインのプランです。この時の延時用導火線は、1秒で1cm燃焼する導火線を使います。最初の3号10本は2秒間隔の比較的ゆっくりしたペースで打ち揚げ、No.10からの3号10本は、時間間隔が1秒にせばまります。No.20から4号にサイズアップし、間隔も0.5秒と更に短くなりクライマックスをむかえます。No31で最後の4号10本は同時に打ち揚げます。この例のように、通常はクライマックスが後半にくるようにプランを立てるのです。
 プラニングの際に、時間間隔とともに、花火の種類の選定も重要なポイントです。観客がどのように感じるか、予想しながら計画を立てます。