磯谷煙火店

株式会社磯谷煙火店　磯谷尚孝

　昼間は風が強かったのですが、開演中風が弱まり煙が掃けず花火が煙ってしまわないか心配しましたが、何とか煙らずにいつものようにクリアーに見えたのでないでしょうか。風が弱まったせいで、寒さも和らぎました。

　5年前に立ち上がり本年で6回めの花火劇場ですが、毎年理想を追い求め苦難の連続でした。ドラマチックハナビの位置づけなど当所考えていたものとは少し方向性は変わりましたが、45分間のショーとして完成形に近づいています。ストーリー、音楽、花火がそれぞれ独立して作業を進めると、どうしても全体像が思い描いていたものと違ってきてしまいます。時間に余裕があれば全体調整もできるのですが、現況スケジュール的にその余裕がありません。見ている側の観覧者も人それぞれ感じ方が違いますが、ある程度多数派にフォーカスしたいと思っていました。そういう意味で全体のバランスは理想に近づいたと感じています。

　音の聞こえない場所で花火だけを毎年見ていた方が、音の良く聞こえる場所で見たらそれは別世界だったとおっしゃっていたのを聞いたことがあります。作り手側も音があることを前提に花火構成を考えているので、当然と言えば当然です。一般の方が思い描く夏の花火と違って、花火、音楽、ストーリーの融合でこんなこともできることを多くの方に知っていただきたいと思っています。

　今年はコロナ禍中の開催ということで、実行員の皆さまは例年以上のご苦労があったことと思いますが、観覧者の皆さまに希望があたえられるようなイベントにしていきたいものです。

秋元拓也氏

T.Watanabe