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地域の人情

投稿日:2016/08/31

株式会社磯谷煙火店 磯谷尚孝

 「いくつの花火大会を担当されていますか?」という質問をよく受けるのですが、「数えたことがないのでわかりません。」といつも回答します。もちろん数えればいいのだけれど、むやみに受け持つ大会を増やしていくことや数自体にあまり関心がありません。花火シーズンが始まると毎回毎回、受け持っている花火大会の主催者、観覧者に満足してもらう仕事をするのが私たちの使命と思いシーズンを終えるからです。

mikawa-district 愛知県の山間部で40年以上前から花火の依頼を受けています。いつもは秒単位のスケジュールに追われ点火作業をするので緊張の連続です。しかし、ここでは時間も静かにゆったり流れていて、やるべき点火作業は普段と変わらないのですが、少し安らぎリラックスできます。

 近くに夕食の弁当を買いに行くと、「今日花火を打ち揚げに来たんだね。良い花火見せてね。」とか、お店の方がとてもフレンドリーに話しかけてくれたりします。田舎だからと言っては語弊がありますが、花火の担当者も、皆さん親切で優しくホッとします。何回か地元でとれた焼鮎を頂きました。

 場所の問題で最大号数は3号なので特別際だった演出はできませんが、終わった後皆さん喜んで下さっているのがわかり、私たちも満足感でいっぱいになります。花火師のやり甲斐の原点を感じる場所です。

 しかし、いつの間にかその弁当屋さんはなくなり、この地域にもコンビニが進出してきました。そしてマニュアル化した「いらっしゃいませこんにちわぁ」の言葉が店内に無機質に響いていました。