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書き初め

投稿日:2017/01/07

株式会社磯谷煙火店 磯谷尚孝

 人に座右の銘はと聞かれた時、「人事を尽くして天命を待つ」と必ず答えます。高校時代、大学受験前にこの言葉が心に刻まれました。花火競技大会もそうですが、普段の花火大会でも開始前に「頑張って下さい!」とよく言われます。花火の製作は最善を尽くしたつもりですが、どんな花火が開くかまだわかりません。また、想定通りにうまく開かないとわかっていたとしても、当日では手直ししたり、修正することはできません。まさに、まな板の鯉状態です。最近は少し大人になって、「頑張って下さい。」を聞き流すようにしています。(笑)花火打ち揚げ当日できることは、祈ることだけなのです。

 

shoshikantetsu 毎年、年明けにファンミーティングが開かれます。昨年から色紙を景品にしています。書道は小学生時代に習っただけで、上手で立派な文字は書けませんが、気持ちだけで書きました。贈り物は高価なものでなくても気持ちのこもったものが一番です。(昨年のISOGAI花火劇場in名古屋のテーマ)正月の書き初めで何を書こうか迷っていましたが、今年は「初志貫徹」にしました。この四字熟語を辞書で調べると、「初めに心に決めた志を最後まで貫き通すこと。」とあります。初めに思いついたことを押し通すだけでは、ただの頑固オヤジになってしまいますね。(笑)生きていく上で、あるいは会社の方針など色々判断を下さなければならない時期があります。昨年もそんなことがありましたが、世の中の流れとか、人に流されて判断に迷いました。そんな時、今まで生きてきた上で大切にしてきたことをじっくり振り返りました。そんな判断の礎がこの言葉に示されていると思います。判断が正しかったのか、間違っていたのか、まだわかりません。近い将来結果がはっきりするかもしれませんが、判断を下した以上取り返しもつきませんし、私の関知することではありません。できることはその判断が正しかったと後で思えるよう努力することです。そんな思いを含めて、この四字熟語を書いたのです。