お知らせ
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投稿日:2018/10/13
株式会社磯谷煙火店 磯谷尚孝
人間が重さ10kgのタルを投げ上げて、越えた壁の高さを競うのをザ・ガロンスローというそうです。テレビの正月番組で、私も何回か見たことがあります。ハンマー投げの金メダリスト室伏元選手でも、10mを超えないそうです。これを花火に当てはまると、ちょうど10号玉は10Kgくらいです。これを地上300m以上打ち揚げているのですが、その時に使う火薬はたった500gくらいです。人間に比べ、いかに黒色火薬のパワー、エネルギーが凄いか改めて思い知らされます。
高さ | 直径 | |
3号 | 120m | 100m |
4号 | 150m | 120m |
5号 | 200m | 150m |
8号 | 280m | 250m |
10号 | 300m | 280m |
花火鑑賞士の皆さまを始め、花火に興味のある方がよく目にされるのが、サイズによって花火がどれくらいの高さまで上がり、どれくらいの大きさで広がるかの表です。私は、ビデオ解析をして何回かこれを実際に測定しました。その時のデータを見ると、この表が色々誤解を与えているのではないかと感じます。たとえば発射された花火の高さに関しても、様々な要因で打ち上がる高さが変化します。この要因には火薬量、筒とのクリアランス、筒の長さなどですが、他にも考えられる要因があります。測定時の5号玉のデータですが、発射薬(黒色火薬)は同じ量、同じ仕様の筒で168m〜258mのばらつきがありました。開花直径などは更にばらつきが大きくなっています。平均すればこの表の高さの数値に近づくとは思いますが、実際の花火のばらつきは非常に大きく表の数値もアバウトなのです。因みにその時の10号玉の最高高さは438mでした。
2018赤川花火大会 古川和宏氏撮影