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大曲、当日の玉名変更

投稿日:2017/05/20

株式会社磯谷煙火店 磯谷尚孝

 全国花火競技大会大曲の花火に参加を初めて30数年になります。どれくらい前の事なのか定かではありませんが、昭和の終わり頃だったと記憶しています。花火当日の昼間、市内のどこかで参加者の打ち合わせ会議が開かれていました。佐藤勲さんが議長をされていて、会議も終盤、いつものことなのですが4、5人の出品者が次々に手を上げて玉名変更を申し出ていました。当日ですから、プログラムの印刷物はできあがっています。アナウンスだけ変更してもらうための申し出でした。主催者側からは、当日の玉名変更はしないで欲しいと要望は出されていましたが、業界の重鎮が「玉名提出以降色々試作して、改良がうまくいった場合、その花火を出したいから致し方ないのではないか。」との意見も出されていました。

 

 花火師にとっては当日の玉名変更が許された、よき時代でした。それから何年かして、当日の玉名変更はできなくなりました。確かにプログラムを何日も前から熟視して、花火を楽しみにしている観覧客にはいい迷惑なのは理解できます。重点が花火師から観覧客に移っていったのは、私たちにとっても良いことなのでしょう。提出した以上絶対に変更できないのだから、玉名提出の時期が来ると、どうしても慎重になり玉名が書けません。

 

 またその当時、昼の弁当を買いに現場から抜け出していましたが、今では交通規制の関係で到底できなくなっています。最近、私は大曲に毎年出向くというのもできなくなっているが、大曲の環境も昔とは随分と変わり昔を懐かしく思っています。

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