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花火と危険性

投稿日:2018/03/01

株式会社磯谷煙火店 磯谷尚孝

 一般の人と話している中で、私が自分の職業について語ると、「危険な職業ですね。」とよく言われます。花火は火薬を使っているので当然の反応です。この業界も悲しい人身事故をたくさん経験してきました。業界の先輩に言わせると、先人たちは悲惨な人体実験を通して、少しでも安全に作る方法、打ち揚げる方法を学んできたと語っています。

 花火業界も安全への道を確実に進んでいます。しかし、残念ながら一昨年製造中の死亡事故が発生しました。10年ぶりくらいの死亡事故です。ある経営者の奥様は「最近花火事故の話は聞かないので、改めて花火の危険性を思い知らされた。」とおっしゃっていました。私にとってもとてもショッキングな事故で、明日は我が身であることを思い知らされました。

 業界の人たちと話すと、この原料の方が安全だ、この打揚方法の方が安全だと議論をします。比較として安全を議論しているのですが、前提が火薬を扱っていることを忘れがちになるのです。どんなことをしても安全であるはずがありません。先日学者の先生がお話ししている中で、このことを忘れがちで、意識し続けることが難しいと仰っていました。他社がやっているからという言い訳で、なし崩し的にやることは戒めなければならないと思います。

 色々な職業がある中で、危険ということを除けば、人を楽しませる良い仕事と思うのですが、安全をおざなりにできません。人を楽しませることだけに舵をきれば、いつの間にか危険の多い道に入り込むこともあります。このような微妙な均衡のなかで仕事をしていることを忘れずにいたいものです。